No.460
令和7年4月4日(金)晴れ
4月に入り、
桜の開花宣言より1週間が経ち
ほぼ満開になりました。(^^)
今週末は絶好のお花見日和になりそうですが
日曜日の午前中は雨の予報ですので
今日、明日中に行かれた方が
良いかも知れません。
今回は久しぶりに本のご紹介です。(^^)
支える側が 支えられ 生かされていく
認知症になった母が教えてくれたこと
著者は
藤川 幸之助(ふじかわ こうのすけ)さん
1962年、熊本県生まれ
長崎大学教育学部大学院修士課程修了
詩人・児童文学作家
高校時代に谷川俊太郎さんの詩集に
感銘を受け、詩作を始める。
26歳の時に
母親がアルツハイマー型認知症になり
父親の死後、その遺言により
母の介護を本格的に始めることに。
24年間に及ぶ壮絶な介護体験をもとに、
命や認知症を題材にした作品を発表。
著書は
『満月の夜、母を施設に置いて』(中央法規)、
『マザー』(ポプラ社)、
『徘徊と笑うなかれ』(中央法規)
『まなざしかいご』(中央法規)等、
本書は初の自選詩集です。
エピローグより
二十四年間認知症の母の命に向き合い、
この絆の結び直しをしながら、
なんと多くの問いを自分自身に
投げかけてきたことか。
親とは何か?
人を愛するとは何か?
生きるとは何か?
死とは?
苦しみとは?
悲しみとは?
つまりこれは、
私に対する
「人生の問い」
でもあった。
認知症のお母さんと家族の心情が
リアルに表現されています。
認知症になったお母さん。
そのお母さんを支えるお父さんの
底知れぬ愛情。
そして、
その2人の愛情で育った著者が
様々な感情で苦悩しながら
母を支えていくことから生まれた詩集。
ただの美しい家族愛を描いているのではなく、
苦悩・愛情・憎悪等、
そして
人として何が大切なのかを
考えさせられます。(ー_ー)
珠玉の詩集の中からひとつだけ (^^)
父の分まで
父はいつも手をつないで
認知症の母を連れて歩いた。
「何が恥ずかしいもんか
お母さんはおれの大切な人ばい」
父の口癖だった。
立ち止まっては
いつも母に優しいまなざしを向けて
「大好きなおかあさん
ずっと側におるよ
死ぬときはいっしょたい」
と、父はいつも言った。
母は屈託のない笑顔を父に返した。
父は過労でぽっくりと逝き
母と一緒にあの世へは行けなかった。
父をまねて母の手を握る。
母の手はいつも冷たい。
私の温かさが母へ伝わっていくのが分かる。
伝わっていくのは言葉ではない。
父をまねて母を笑顔で見つめる。
母は嬉しそうに私を見つめ返す。
伝わってくるのは言葉ではない。
父をまねて
言葉のない母の心の声を聞こうとする。
言葉のない母の心の痛みを感じようとする。
分からないかもしれない。
でも私は分かろうとする。
手をつなぎ、母を見つめて
私は父の分まで母を分かろうとする。
やっぱりもうひとつ (^^)
夕日を見ると
今日もここから
あの夕日が見えました
あの夕日を見ると
いつも思うんです
今日も母にやさしくできなかったと
もっと母にやさしくすればよかったと
ウロウロするな!
ここに座っていろ!
同じことばかり言うな!
もう黙ってろ!
母さんが病気だって
わかっちゃいるけど
「おれの母さんだろ!
しっかりしろ!」
と、つり上がった目で
何度も何度も母に言って
母は驚いて
私を悲しそうに見つめて
私は言った後自分をずっと責め続けて
この夕日を見ながら
明日こそは母へやさしくしようと
毎日毎日そう思うけれど
毎日毎日このくり返し
母さんごめんなさい
母さんに苛立つぼくを許してください
母さんごめんなさい
こんなぼくを許してください
日本では、
認知症を発症している人は
2020年時点で約500万人。
65歳以上では実に7人に1人、
約15%の割合です。
さらに2025年には、
つまり今年には約730万人に増加し、
65歳以上の中では
5人に1人で
約20%の割合になると推計されています。
それが我が国の認知症の現状です。
(ー_ー)
いつも長原整骨院のブログを
ご覧いただきまして
ありがとうございます。m(_ _)m