No.462
令和7年6月5日(木)晴れ
久しぶりの投稿です。
今日は良い天気!(^^)
6月に入り、
いよいよ梅雨入りも近づいてきました。
季節の変わり目は、
体調管理にどうぞご注意ください。m(_ _)m
さて今回は、
ちょっと考えさせられる
社会と健康のお話です。
前回・前々回と
「介護」や「認知症」に関連する本を
ご紹介しました。
今回は
「そもそも健康って誰が決めるの?」
という視点から書かれた本を
ご紹介します。
『健康格差社会』
何が心と健康を蝕むのか
著者は近藤克則さん。
1983年、千葉大学医学部卒業
1997年、日本福祉大学助教授
2003年、日本福祉大学社会福祉学教授
2014年、千葉大学予防医学センター教授
本書で
第12回社会政策学会賞(奨励賞)を
受賞されています。
本の帯には
豊かな日本でなぜ?
格差社会は「負け組」だけでなく
「勝ち組」も不健康のする。
格差社会はなぜ健康に悪いのか?
健康教育や介護予防は
なぜうまくいかないのか?
結婚はなぜ健康によいのか?
健康によい社会・経済政策とは?
等々の文字。
「健康って、自分の努力次第でしょ?」
「ちゃんと運動したら?」
「バランスよく食事すれば?」
「ストレスをためないようにすれば?」
等々、
そう思っている方も多いと思いますが、
実は
“収入”や“学歴”
“住んでいる地域”
などによって、
健康や寿命に
大きな差が
出てしまうことがあるんです。
しかもその格差は、
子どもの頃からすでに始まっているという
衝撃の事実も。(*_*)
例えばこんなデータがあります。
年収が低い人ほど
生活習慣病にかかる割合が高い
ひとり暮らしの高齢者は
要介護になるリスクが高い
地域によって平均寿命が5年以上違う
等々、、、 (ー_ー;)
本書では、
こうした「健康格差」の背景にある
社会的な仕組みや原因を、
国内外のデータや研究結果をもとに
わかりやすく解説してくれています。
そして
「どうすればこの格差を縮められるのか?」
という問いに対して、
地域づくり・福祉政策・教育など、
様々なアプローチからのヒントが
書かれています。
「健康は自己責任」
ではなく、
「健康は社会全体で守るもの」
という考え方が
必要な時代になっているのかもしれません。
認知症や介護と同様に、
健康の問題も
“いずれやってくるかもしれない”
身近なテーマです。
今はまだ元気でも、
自分や家族が病気になったとき、
「社会の仕組み」
がどう支えてくれるのか?
そんなことを考えるきっかけになる
一冊だと思います (^^)
気になった方は是非ともご一読ください。
私が読んだのは2005年発行のもので
20年前の少し古い本ですが、
現在は、
2022年に第2版が
出版されているようです。
最後に
本書の中で印象に残った所を
紹介して終わります。m(__)m
生物・医科学の大きな発展の影で、
健康に心理的な因子や社会経済的な因子が
関連していることは、
軽視され忘れかけられてきた。
社会疫学は、
心理・社会と健康とが、
従来思われていたよりも強く
関連していることを明らかにしてきた。
いわば、
心と社会を再発見したのである。
(中略)
研究面では、
従来のような
生物・医学研究への研究資源の偏重を
見直すべきであろう。
いくら生物・医学的な技術が進歩しても、
人の寿命が無限に延びるわけではない。
仮に長寿を実現したとしても、
老後の生活が不安に満ち、
社会的に孤立しても
希望がもてない社会であれば、
何のための延命であろうか。
生物・医学的な研究に投入されている
研究資源の一部を、
遅れている
心理・社会的な側面の研究に回したほうが、
超高齢社会では、
社会的な恩恵は大きいのではなかろうか。
ちょっと考えさせられる
社会と健康についてのお話が
書かれた本です。(ー_ー)
いつも長原整骨院のブログを
ご覧いただきまして
ありがとうございます。m(__)m
コメントをお書きください